2008-01-01から1年間の記事一覧

虚空果つる刻(芦屋川=>ロックガーデン=>六甲山最高峰=>五助ダム=>御影)

阪急芦屋川駅(10:20)=>ロックガーデン(10:50)=>六甲山最高峰(12:32)=>五助ダム(14:42)=>阪急御影駅(15:30) 一年の締め括りに、武奈ヶ岳でも登ろうかと思っていたが、寒波が到来するとの予報のため、手頃な六甲山へと変更する。少し寝坊して、芦屋川に着いた…

黄瀬戸を求めて

天長節の京都をふらふら歩いて、気がつくと新門前通りに迷い込んでいた。此処は骨董屋街で、余り近づかない様にしている場所の一つである。しかし、この日は妙に気が大きくなってあちこちの店を覗いて廻る。いやいや、あるところにはあるものである。 日用の…

Noël à Nantes/南都の降誕節

日差し、温き冬至に猫を待つ。次第に灰色く蔭ってくるものの、冷えもせで、靴の革底が心地良い。何者が降誕するのであれ、猫のあくせくする事柄ではないのは明瞭なので、湯気の立ちこめる中で釜飯を喰らい、骨董屋で古い端布を矯めつ眇めつして時を通過させ…

Atago in the afternoon

嵐山(12:00)=>清滝(12:50)=>愛宕神社(14:00)=>清滝(15:25) 夜勤明けで、そのまま寝ていても良かったのだが、天気も良いし出掛けることにした。三輪山も行ってみたいのだが、昼からだと遠いので少々無理がある。と云う訳で愛宕山へ。この季節、晴れていてば夕…

新雪の大峰:山上ヶ岳〜稲村ヶ岳〜大日山(11/22)

清浄大橋(09:00)=>山上ヶ岳(11:16)=>稲村ヶ岳(13:29)=>大日山(14:00)=>母公堂(15:42) 一月以上山に行かないとかなりフラストレーションが溜まる。と言って、中部山岳地帯は既に完全な冬山である。紅葉の低山は人が多いだろう。という訳で、大峰へ行くことに…

或る文明に就て(I:大徳寺黄梅院)

はらはらと降る雨の中、特別公開中の大徳寺黄梅院を訪ねた。受付は学生のアルバイトらしく、その後も視界の何処かに誰かしら着慣れないスーツの若者が解説していたが、何をしでかすか分からない観覧者を監視するにはこれくらいでなくてはならないのだろう。…

衣食足則知礼節

衣食足りて礼節を知る、と古人は言ったが、膨大な資源を浪費している今の我々を省みるに、衣食が足るというのは単に所有と消費の問題ではない様に思われる。 無論、衣食の所有が必須であり、かつ歴史上それが満たされなかった期間が殆どであった訳だが、この…

西山を越えて

通勤に使っている自転車の空気が抜けかけていたので、入れ直したら何処かに出掛けたくなった。お昼を食べてからふらっと出発。 まずは西国街道を北へ進み、調子八角から長岡天満宮を経て光明寺の前へ。この先道は細くなり、竹林の中を走る。そのまま西京区に…

井筒俊彦『イスラーム思想史』

イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)作者: 井筒俊彦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/01/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 29回この商品を含むブログ (35件) を見る大分前に古書店で買ったままになっていた。何度か読もうとしたのだが、何故か…

夜と死の光、或いはブランショとツェラン

文学空間作者: モーリス・ブランショ出版社/メーカー: 現代思潮新社発売日: 1962/10/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (12件) を見る岡崎の近代美術館で、趙無極(ZAO WOU-KI)の"Dawn --Neither Night nor Morning"を観る。夜明け、世…

焰の椀(10/13): 穂高山荘〜奥穂高岳〜吊尾根〜前穂高岳〜岳沢〜上高地

Course Time: 穂高岳山荘(05:20)=>奥穂高岳(05:59)=>前穂高岳(08:31)=>岳沢ヒュッテ跡(11:11)=>河童橋(12:35)=>上高地BT(12:50) 3時半頃に目が覚める。遙かな向こうへ明るい月が沈んでゆく。頭上は星空、東の空は仄かに白みはじめている。風が強く、凍える寒…

焰の椀(10/12): 上高地〜涸沢〜涸沢岳〜穂高岳山荘

Course Time:上高地BT(06:05)=>横尾大橋(08:28)=>本谷橋(09:15)=>涸沢ヒュッテ(10:29)=>穂高岳山荘(12:51)=>涸沢岳(14:57)=>穂高岳山荘(15:40) 本当は三連休丸々山で過ごそうと思っていたのだが、10/11は天候が余り良くないということで、秋の北アルプスには…

晴れ時々巨木、所により岩窟:和佐又〜大普賢岳〜無双洞〜和佐又

(2008/09/27 晴れ) 和佐又ヒュッテ(08:58)=>笙の窟(09:44)=>小普賢岳(10:13)=>大普賢岳(10:41)=>七曜岳(12:06)=>無双洞への分岐(12:14)=>無双洞(13:16)=>和佐又のコル(14:38)=>和佐又山(14:49)=>和佐又ヒュッテ(15:08) 本当は4時に起きるつもりだったのだが…

金沢七宝

青 吶吶と地球が沈む 新しい 太陽は真空へ蒸発する交歓 地の紅の盛られる陶瓷は白く 山中の宮へと溢れる胎土 痙攣から 黄土また黄土の故に筆法 又 無門関の群青を撫ぜる 夫れは 七宝(クロワゾンヌ)の星屑にくしゃみする猫 正二十面体の櫓の中で 大きな 梁が…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/28: 双六小屋〜鏡平〜新穂高温泉

矢張り暗い曇天で天気は良くなさそう。それでも5時過ぎにテント場を出発したのは私が最後だった。見知った道なので特に問題なく進む。弓折岳の分岐の少し手前、雪田の辺りで雷鳥に逢う。相変わらず天気の良くない時にしかお目に掛からない。 鏡平(06:30)を経…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/27: 雲ノ平〜水晶岳〜ワリモ岳〜鷲羽岳〜三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋

夜中に星空を見ていたので、起きたのは少し遅かった。黒部五郎岳に朝日が当たって輝いていた。 晴れていて、これまでで最も良い朝だった。水晶岳に登って、三俣山荘まで行けば明日には下山できるなあと考える。 幕営地を出発したのは06:00頃で、もうすっかり…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/26: 薬師峠〜太郎平〜薬師沢〜雲ノ平

4時過ぎに目が覚めたと思う。曇空というほどではないが、低い雲の層が流れてゆく。 05:40頃出発。ハイマツの中を少し登って太郎平の木道を軽快に進むが、ガスが濃くなってくる。太郎平の小屋には6時前に到着、北アルプスの要衝だけあって、蟻の巣穴のように…

鰤と長葱の蒸し焼き

帰りに天然物の鰤が安かったので思わず購入。鰤大根には早いし、照り焼きは準備に時間が掛かるので…少々考える。 鰤:3切れ 長葱:2〜3本 枝豆:適当(たまたまあったので使用) 醤油:大さじ1 味醂:小さじ1 酢:小さじ2(バルサミコ使用) 砂糖:少…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/25: スゴ乗越〜薬師岳〜薬師峠

夜明けの少し前に起きてテントの外に首を出すと、雲と空が半々、今日は何とかなりそうだ。 日の出より半時ほどたった05:30頃、稜線から太陽が燦めきはじめる。それとほぼ同時に出発。小屋を過ぎて暫くは樹林帯の中の湿原をゆく。それ程広くはないが、ひっそ…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/24: 五色ヶ原〜越中沢岳〜スゴ乗越

耳栓を通してテントのはためく音がした。03:30頃。耳栓を抜き取ると途端に雨音が響き渡る。停滞するか、様子を見るか、出発するか。取り敢えず朝食を作ることにする。前室に顔を出すと、グランドシートの下から水が溢れて流れている。テント内も若干浸水して…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/23: 立山室堂〜五色ヶ原

「きたぐに」は満席で、ほとんど眠れなかった。04:30富山着、05:44の立山行き急行に乗る。雨こそ降ってはいないものの、何時降ってもおかしくない曇天である。 立山駅からケーブルを乗り継いで美女平でバスを待つ、駅員がザックを一瞥して10kg以上は超過料金…

Montes Altissimi ~いと深き山々~ 8/22: prologue

大阪駅の一番端のホームにザックを置いて、そのまま胡座をかいて座り込んだ。急行「きたぐに」の入線まではまだ2時間ほどあって、金曜の夜だというのに周囲は静かだった。 時々、雨がぱらぱらと通り過ぎていった。2日間は雨を覚悟しないといけない。

阪堺電軌で住吉さんへ

土曜は昼前に天王寺へ出て、阿倍野筋を少し歩いてグリル・マルヨシへ。ランチセットでポークソテーをいただく。何というか、フレンチやイタリアンとは違う、腹の底がほっとする味。つまりは正統なる「洋食」ということか。客の年齢層はかなり高い。 少し戻っ…

タラと野菜のオリーブオイル炒め

簡単で割と美味しかったので備忘の為に。 材料 タラ:適量 ズッキーニ:適量 しめじ:適量 枝豆:適量 オリーブオイル:適量 塩:少々 バルサミコ酢:少々 パン:適量 作り方 タラは切り身にしておく。ズッキーニも適当に切る。枝豆は茹でて(つまり枝豆にし…

海百合と海猫(2)

翌朝はまず風呂に入り、朝食後ゆっくりと出発。白良浜に向かうが、余りの人の多さに唖然。ということでそのまま通過して北上し円月島を望む水族館へ。 京大の白浜研究所の附属水族館で、こぢんまりとしているが流石に内容はしっかりしている。無脊椎動物の展…

海百合と海猫(1)

土曜日の朝に早起きして、大阪駅で猫と待ち合わせる。紀州路快速に乗って一路紀の国へ。和歌山駅で御坊行きに乗り換え、海南、初島、簑島、湯浅を経て御坊へ。初島の半ば廃墟と化した石油化学プラントが、蜜柑の丘陵と青い海の間に出現するのは何とも不思議…

立秋のボイコット

今日は夕立もなく、夕方は空が高くてとても綺麗だった。河原から、比叡から横高・水井の双峰を経て北山の折り重なった稜線が穏やかに波打ち、その上に雲の沸き立つのが眺め渡せた。京都は断然空の広い街である、空間の利用効率は大変良くないが、硝子張りの…

aqua et aqua

昨日は猫と一緒に紀州へ泳ぎに行った。猫は海で泳ぐのはほとんどはじめての様だったが、喜んで浮かんだり海の中を覗いたりしていた。 丁度新月だったので正午が干潮になり、クロサギ、イサキ、ベラ、ツノダシ、カゴカキダイ、ボラ、ゴンズイ、カワハギ、キス…

P.クロソウスキー「ニーチェと悪循環」

一度図書館で借りたのだが、余りの途轍もなさに、こは買わずばなるまじとて購ったもの。まだ序盤だが、私が思案していた様々な(そして今日ほとんど省みられない様に見える)問題を徹底的に抉っている。 序文の末尾からして、誰もが言いたくて言えない欲望を…

ネット・文字・リアル

一見、ネットは文字よりもリアルを模倣する様に思われる。だが、ネットが模倣しているところのリアル自体が、文字を組み込まれることによって成立したものであり、同時にネット自体もまた文字のそれ自身による操作技術に他ならない。従って、ネットは文字に…