2007-01-01から1年間の記事一覧

真?京都一周トレイル Part2 愛宕山塊(清滝〜栂尾)

前回は老ノ坂までだったので、本来はそこから出発するのが筋というものだろうが、気分的なものもあって、ちょっと途中を抜かすことにした(飛ばした唐櫃越、嵐山、小倉山はいずれその内に)。 なおかつ少々寝過ごしてしまったので、本来であれば渡月橋から出…

夜汽車の空、皮膚の様に押し包み。

昨日東京に出張してきた、行きはのぞみ82号。朝早かったので、雪を帯びた伊吹山、広漠たる天竜川、雲を貫く富士山くらいしか記憶に残らない内に多摩川を越えて品川到着。新しい(?)品川駅ははじめてだが、これだけ巨大で人が多いというのは、既にして狂気の兆…

真?京都一周トレイル Part1 西山縦走(山崎〜老ノ坂)

京都一周トレイルというのは、京都市が中心になって整備している文字通り京都を一周するハイキングルートである。京都盆地を取り囲む山を歩いているとあちこちで道標を見掛ける。 京都は里と山の境目が曖昧で、その分山は身近なものなので歩く人は多い。その…

紅葉を寒々見遣る火床哉:銀閣寺〜大文字山〜南禅寺

日曜はいちびって大文字山に登ることにした。まずは紅葉の銀閣寺へ。 銀沙灘と向月台の生み出すムヴマン(mouvement)が紅葉という火花になり、銀閣がそれらを光の様に浴びてゐる。 雑多な人混みではあるが、空間そのものは人間と独立して静寂である。 元々混…

比良山へ:八淵の滝〜武奈ヶ岳〜広谷

先週の少々無茶な登山の後でもあるし、今週は無理はしないことにした。その代わり、新規導入装備をテストすることにする。 テストフィールドとしては、芦生の森と迷った挙句、この近辺で多少は高い山と呼べる比良山を選定。 比良山は昨年に一度正面から登っ…

Johannes-Passion in 京都コンサートホール

職場の人の案内で、バッハのヨハネ受難曲を聴きに行った。場所は北山のコンサートホール(大ホール)、合唱は京都シティーフィル合唱団、演奏はテレマン室内管弦楽団である。 まず、このホールは音響が良い。初めて一階席だったが、実に素晴らしい。遠くの音…

清浄大橋〜山上ヶ岳大峯山寺〜稲村ヶ岳〜母公堂

先週みたらい渓谷から女人結界まで歩いたのは下の記事に書いたが、翌日以降、手が届かぬでもない距離に聳えていた山上ヶ岳への想いに苛まれ、止むに止まれぬ気持ちから登攀を目指すことにした。 今週末は天候がはっきりせず、直前まで可否を検討したが、最終…

断簡

何歳まで生きたいとか、長生きしたいとか思うことは、何故かしら、ない。別に何時死んでもいい。今死んでも、それはそれで止むを得ない。 何時死んでもいいように生きること、それが私の方法である。退職後とか、老後とか、在るか無きかの未来に希望を据えて…

天川村/みたらい渓谷〜洞川温泉〜大峰山登山口

奥吉野、天川村へ行ってきた。何と言うか、リベンジもとい再訪したい所である。 朝の6時前にルーテシアを車庫から引っ張り出して出発。478号京滋バイパスから24号大久保バイパスを経て京奈和道に入り、早朝の奈良市内に入る。 前回の熊野行きよりもかなり早…

仮面、消滅に依る出現

仮面は顔を隠す。仮面に仮装を加えた者は、誰でもない。ペルソナ(仮面)はペルソナ(人格)を消滅させる。仮面を被る者は、己であることを捨てる。 だが、仮面を被れば仮面になる、のではない。仮面が誰であるのかは、本来、仮面の決める所ではない。 仮面はつ…

復た、気分が大きく沈む。誰が、この馬鹿馬鹿しい広漠を領しているのだろう・・・ ・・・存在する、と身体は復唱する。止してくれ、余計な口を開くのは。

熊野へ 2:渦上の被膜

地元の人によると、熊野灘は急に深くなっており、浅瀬は波に巻かれた石礫が水中を舞っているので、泳げる様なものではないのだという。言わば人を喰う海であって、それが静かに紺碧の口を開けている。 そのままR42を南へ進むと、鵜殿の製紙工場の辺りから混…

熊野へ 1:緑海最深部を経て

土曜日の朝、ルーテシアにて出発。近畿道渋滞のため、京滋バイパス(側道)から国道24号線(R24)を目指す。が、こちらも1号線の前後で合流渋滞。大久保バイパスの追い越し車線を走るとそのまま京奈和道に上がる。暫定二車線の対面通行だが、概ね綺麗に流れて…

ベンヤミン『ドイツ悲劇の根源』読書メモ

哲学の教理は、実際また、幾何学的方法によって呼び出すわけにはいかない。数学は叙述の問題を完全に払拭する――厳密に事柄に即した教授法はどれもそのように振る舞う――ことが真正なる認識のしるしである、ということを明確に証ししているが、そこにはまた、…

第一阿房列車

第一阿房列車 (新潮文庫)作者: 内田百けん出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/04/24メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 69回この商品を含むブログ (104件) を見る言わずと知れた、鉄道紀行文の傑作。天下無敵、百間先生が東海道、御殿場、山陽、呉、鹿児島…

完本 風狂始末―芭蕉連句評釈

完本 風狂始末―芭蕉連句評釈 (ちくま学芸文庫)作者: 安東次男出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/03メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る骨董において恐るべき眼力を発揮する安東次男のライフワークとも言うべき、芭蕉連句の…

淡海と猫と城と

朝から曇天で、雨もぱらつく中を出発、呆としていてカメラを忘れてしまう。従って今回は写真なし。何時も通り京滋バイパスで滋賀県に入り(1号線や名神は一度で沢山である)、石山ICで降りて瀬田川沿いの「夕照の道」から「さざなみ街道」へ。ウォータース…

南都、魂の続き。

昨日は奈良へ。京滋バイパスから24号線に入り、木津川に沿ってゆるゆると南へ。南山城も急速に郊外化しているとはいえ、一見すると実にのどか。泉大橋を渡り、平城山を越えて南都へ。県境辺りからかなり交通量も多く、渋滞気味に。県庁横の駐車場に車を停め…

langage et corps I

身振り手振りは言語に先行することはできない。なぜなら、非言語的な身体表現が身振り手振りとなるためには、意味の伝達がなければならないが、意味は言語抜きに存在しないからである。 言い方を替えれば、身振り手振りは言語の頽落であって、原=言語ではな…

東奔西走

本日(昨日?)、坂東武州は江戸へ出張と相成り。 bck殿並びに東方植民地総督閣下にはご多忙中お時間を割いて頂き感謝の極み也。 江戸は相変わらず広大にて人多く、湿気少なし、而してそれだけ也。 最終便の新幹線にて雍州へ戻り、人心地す。壷中天といえど…

塩ノ穂先

猫 重力へと微苦笑しつつ降着する弾力 歯車を巡る護謨の抱擁 夜の後の闇で 静かな包丁が奏でられ 一隅で 羽毛が輪郭を囀る仕度と明滅 常世との交信 踝の生傷から 老婆が白蛇を引き出す 弥勒の塩の結末は 三幕四場 厠で白海老が乱舞し 剣は島嶼の背景 列柱は…

Island Campaign/ part III: cat moon other

室戸岬の先端部は岩礁を縫って遊歩道がしつらえてあり、所々にわずかな砂利浜と芝生が拓けている。大洋は人類の精緻な技巧を嘲笑うかの様に変容と反復を繰り返し、無数の断片となって私を通過し、如何なる酵素もなし得ない仕方で分解してゆく。 海は、生も死…

Island Campaign/ part II: archaeo ocean

鳴門ICで降りて国道11号で徳島市に向かい、そこから55号で一路南へ。阿南までは平坦な4車線道路が続くが、そこから南は山越えのドライブコースになる。お昼になったので日和佐の道の駅で昼食。偽弟(?)F氏の手になるお弁当は真っ当なもので、いささか意表を…

Island Campaign/ part I: pierce the prime island

最初は、高知県東洋町甲浦へ泳ぎに行こう、という個人的な欲求であった。それが、一つの旅のかたちを取るまでの経緯については、ここでは措く。ともかく、或る夏の終わり、土曜日の朝にそれは始まった。自動車で関西から四国へ渡るには、フェリーを使うので…

往還

死穢の庭園、雛が群青に輝く神体を削る 海原には遠浦帰帆、岩が乙女を擂り潰し 阿闍梨が静かに喫茶する 黎明には世界樹の充血 アリスは上り下りを繰り返す だが 胴体は何処にもなく静かに絡みつく 稲妻はホテイアオイの愛、十六夜へ刺突する そして月は白い…

out off

生も死も無意味に変わりはない。 私には如何なる価値も遂に与えられないし、私以外にとってはあらゆる意味に於いてどうでもいいことだ。皆さんお疲れさま、頑張ってくれたまえ。私は生でも死でもない穢土へ退場するとしよう。

Not the end-of-war/終戦ではなく

毎年同じことを繰り返し述べているが、終戦記念日、終戦の日とは誰の視点なのか。好むと好まざるとにかかわらず、大日本帝国の衣鉢を継ぐ者にとって、戦争は終わったのではない。「戦争が終わった」などという単なる述語判断に止まるものでは有り得ない。帝…

journey without virtue

日曜はルーテシアを引っ張り出して、北へ。途中で旧友をピックアップして9号線に入り、沓掛から京都縦貫道へ。さっさと終点まで辿り着くと再び9号線に戻って福知山に向かう。この辺りは普通の二車線対面国道だが、皆さん高速道路と全(略。 続いてイナロク…

夏の涼味?

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200708030004.html 深度4200メートル余の北極点海底に到達。ロボットアームで国旗を投下した。北極点の海底への潜水は世界初。潜水艇は約6時間後に海面へ浮上した。タス通信によると、チームを率いたチリンガロフ下院副…

言語学と詩学と。

言語学は、言語の振る舞いの残滓を対象とするが、言語を対象としない。 言語を、というのは、言語が突如として、常に既に私に訪れ、あなたに訪れ、時としてあなたから訪れる、言葉が現に振る舞う様を、ということである。例えば最初のそれについては、現象学…