眼象(gen-shoh)

chartres


白亜の褶曲、玉躰は
シロスジカミキリ、キイキイと断層を軋ませつつ
GPaの圧力に沈む金属製排泄物 巡り
天空に坐す器官へ給水又給水 チェレンコフに
双眸は薄く灯る 遠く
渦巻く雪渓、煙の奥は硫黄質の冥府 甲高く冷たい声は
形象の為に彷徨う諸々の皇素
斑紋のある神が小卓の上でデッサンする
夜の薫りを描き留め、病の雨上がりの後で猫に愛撫される為
超越論的スペクトルの為 為 為々  偽
そこから靴が柑橘香水に践祚し 扉の外には猫顔の独裁者
無数の鰊が官庁に待望されて悉く窓を粉砕する
それは斬首された豊穣 総ての回線が器官となって溢れ
単一の偽物から化生する鳥獣蟲魚達
其れ等 地を這う言語 時に白き背を啄む。